お正月だよ全員集合   『 初 』


 年越しからそのまま新年を祝うという口実で開かれた守護者みんなとの宴会は、真弘先輩がお鍋を仕切る中、拓磨と遼が肉争奪戦を繰り広げ、慎司くんと美鶴ちゃんが料理の追加に追われ、大蛇さんが起きてるのか寝ているのか分からない祐一先輩に守護者の心得をとくとくと語る……という。
 カオス、だった。
 宥めたり手伝ったりで疲れはしたけれど、気持ちは温かくて幸せに浸っている。
 みんなが自然と集まってくれたのが嬉しい。
 こんなにも強い絆で繋がっている輪に、私も含まれている、それがすごく嬉しい。
 好きな人と、その仲間と、わいわい騒ぐお正月って経験ははじめてだから、なおさら嬉しさが身に染みた。
 頭を過ぎった人を想うだけで、嬉しさとはまた別の感情がこみ上げる。
 そういえば……どこに行ったんだろう?
 ずっと一緒にいたのに、それでもまだ足りなくて想い人を探しに脚をむけた。

拓磨の居場所は……。
真弘先輩は、まだあそこかな?
祐一先輩は、例によって、よね。
慎司君は……ずっと……。
卓さん? あれっ!?
遼ってば、もう!

初めて途中分岐型の話を書いてみたけど、我ながらしょっぺぇしょっぺぇ。
書いてる時は必死なんだけどなぁ。
それぞれのキャラと付き合ってる設定なのに、舞台が一緒なもんだから宇賀谷家には六人の玉依姫がいる事に……。
ドライが分身できるくらいだもん、鬼斬丸を封じた玉依姫は六分身くらいへっちゃらなんだって、たぶん。